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FPGA向けIPコア提供サイト「Halide to FPGA」のベータ版をオープン
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FPGA向けIPコア提供サイト「Halide to FPGA」のベータ版をオープン

2017-10-19
プレスリリース

半導体回路開発にかかる時間を大幅に短縮

株式会社フィックスターズ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:三木 聡、以下フィックスターズ)は、FPGA*1向けIPコア*2提供サイト「Halide*3 to FPGA」(URL:https://www.halide2fpga.com/)のベータ版をオープンいたしました。

AI/IoTの実用化に伴い大量データの高速処理及び低遅延化に対する需要が増大し、FPGAや、ディープラーニング用チップのような専用回路の開発・利用が進んでいます。しかしながら、このようなチップ開発に利用されるハードウェア記述言語の習得は、ソフトウェアエンジニアにとって非常に敷居が高く、また、開発にかかる期間は長期にわたり、それに伴うコストの増大化とtime to market*4の長期化は、経営上大きなリスクと認識されるようになりました。

「Halide to FPGA」では、Halideというコンピュータビジョン*5に特化して設計されたプログラミング言語で書かれたサンプルコードと、当サンプルコードから変換され生成されたFPGA向けIPコアが提供されています。加えて、当サイトに掲載されているHalideコード以外も短期間でIPコアへ変換することができ、また、顧客ニーズに応えた多様なカスタマイズにも迅速・柔軟に対応することができます。

「Halide to FPGA」では、フィックスターズの長年培ってきた並列処理技術やハードウェア毎の最適化技術を結集した「Genesis™コンパイラ」が、HalideコードをFPGA向けIPコアに変換可能な形に自動で置き換えることで、ハードウェア記述言語で開発された回路に引けを取らない処理速度やゲート占有率と、開発期間の大幅な短縮化を両立しています。

「Halide to FPGA」は、ハードウェア記述言語の習得を敬遠してきたソフトウェアエンジニアにFPGA開発の道を示し、加えて、開発期間の短縮化による開発コストの削減及びtime to marketの改善を実現しています。当社内の利用実績では、ハードウェア記述言語で開発された場合に比べ、処理速度やゲート占有率において同等または上回る性能を示した一方で、開発期間を10分の1以下に抑えることができました。

「Halide to FPGA」上には、FPGAに最適化され高速動作する、様々なアプリケーション向けHalideコードが公開されており、今後も順次追加されていきます。なお、Halideコードはオープンソースとして公開され、CPU上で試用することができます。

カスタマイズ等のお問い合わせの際には、こちらよりご相談ください。

*1:FPGAとは、チップの製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路。そのカスタマイズ性に加え、低消費電力や低遅延といった特徴から、最近ではデータセンターからエッジデバイスまで、様々な用途で利用されるようになっている。
*2:IPコアとは、集積回路を構成する部分的な回路情報の意であり、特に機能単位でまとめられていることが多い。集積回路の開発効率向上のため、回路を機能ブロック単位で再利用可能な形にまとめ、他の製品でも利用する動きが進んだ。IPコアベンダが集積回路開発者にIPコアを提供し、開発者が使用料を支払う契約が一般的。
*3:Halideとは、MITが中心になって開発された、画像処理などに強みを持つプログラミング言語。画像処理の高速化にあたり並列化が行われるが、並列処理プログラミングは複雑であり多大な労力がかかる。そのためHalideでは、画像処理のアルゴリズム部分と並列化の実行手順部分を分離し、作業者がアルゴリズム開発に専念できるような環境を整えている。
*4:time to marketとは、製品が市場に投入されるまでの時間の意。電子機器などの足の早い業界では特に、市場のニーズに合わせた新製品をいち早く投入できるかどうかが、企業の競争力を左右する。
*5:コンピュータビジョンとは、画像センサや信号センサからのデータを処理するための、コンピュータにとっての「目」や「脳」を実装することを目標とした一分野。


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本件に関するお問い合わせ

株式会社フィックスターズ 広報担当