エッジビジョンAIを超軽量化し短時間で実装する技術の研究開発
マルチコアCPU/GPU/FPGAを用いた高速化技術のグローバルリーダーである株式会社フィックスターズ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:三木 聡、以下、フィックスターズ)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が公募したプロジェクト「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/研究開発項目①革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」に採択されたことをお知らせします[1]。研究開発テーマ名は「エッジビジョンAIを超軽量化し短TATで実装する技術の研究開発」(以下、本研究開発)です。事業期間は2018年度~2022年度の予定です。
フィックスターズは、自動運転やファクトリーオートメーションにおけるエッジビジョンAIの高速化サービスを数多くの企業に提供しており、その高速化技術は高い評価をいただいています。エッジビジョンAIが本格的な普及期に移行している中、エッジでの画像データの高画素化および時間当たりの処理イメージ数の増加が求められており、高性能なエッジビジョンAIを短時間で開発できる手法の早急な実現が必要となっています。
本研究開発では、エッジビジョンAIの中心技術であるディープニューラルネットワーク(DNN)の実装について、推論処理の超軽量化と処理の高速化を目標としています。また、エッジビジョンAIを広く普及させるためには軽量化したネットワークを各種ハードウェア上へ短期間で実装、最適化するための環境が必要です。これを実現するためのコンパイラ基盤の研究開発も行います。本研究開発が対象とするハードウェアは様々なプログラムを高性能な専用回路として実装可能なリコンフィギュラブルデバイス(FPGA)とし、専用の開発環境を整備することで高性能なエッジビジョンAIアプリケーションを短期間で広く普及させることを目的としています。
本研究開発の実施体制は、株式会社フィックスターズを中心に、Halide[2]プログラムに対するフィックスターズ独自の最適化コンパイラの開発を行ってきた米国子会社Fixstars Solutions, Inc.、全2値化畳み込みニューラルネットワークのFPGA実装の実績がある東京工業大学、および、ドメイン固有ハードウェアの効率的な開発のための高位合成コンパイラに関する実績がある北海道大学を再委託とし、共に研究開発を進めてまいります。この成果を用いて日本がエッジビジョンAIのリーダーとなることに貢献してまいります。
[1]: NEDO「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/【研究開発項目〔1〕】革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」に係る実施体制の決定について(http://www.nedo.go.jp/koubo/IT3_100066.html)
[2]: Halideは画像処理専用のドメイン固有言語です。CPUやGPUに実装するコンパイラはOSSで提供されています。フィックスターズではFPGA向けのバックエンドをあらたに開発し、これを用いたFPGA開発ソリューションを提供しています。
フィックスターズについて
フィックスターズは、”Speed up your Business” をコーポレートメッセージとして掲げるソフトウェアカンパニーです。マルチコアプロセッサを効率的に利用するためのソフトウェアの並列化および最適化と、省電力かつ高速IOを実現する新メモリ技術を活用したアプリケーションの高速化を通じて、医療、製造、金融、エンターテインメントなど、様々な分野のお客様のビジネスを加速し、グリーンITを実現しています。