従来のエキゾチックデリバティブシステムに比べて10倍以上の速度で処理
株式会社フィックスターズ (本社: 東京都港区、代表取締役社長/CEO: 三木聡、以下フィックスターズ) は、みずほ証券株式会社 (本社: 東京都千代田区、取締役社長: 横尾敬介、以下みずほ証券)のエキゾチックデリバティブシステムをCell Broadband Engine™ (Cell/B.E.)の演算能力を活かして高速化することに成功しました。Cell/B.E.を活用したシステム構築をすることで、従来のエキゾチック デリバティブシステムに比べ10倍以上の速度で処理できる見込みとなり、みずほ証券では、通常の業務への導入を検討中です。
金融機関では、デリバティブ・リスク計算をはじめとするシミュレーション計算や、市場取引を自動化するアルゴリズムトレーディングといった分野において、取り扱うデータ量が飛躍的に増大しており、処理速度の向上とシステムの効率化が必要とされています。Cell/B.E.は、非常に高い演算性能を備えており、金融計算の処理速度向上に有効なマイクロプロセッサです。同時に、システムを最大限に活用するためには、Cell/B.E.の性能を活かすためのソフ トウェア技術、既存のプログラムを並列・分散化する技術、様々な用途に対して柔軟に対応するミドルウェアが欠かせません。Cell/B.E.上のプログラミングを得意とするフィックスターズは、自社のリソースを用いてCell/B.E.の性能を最大限引き出すことで、みずほ証券が持つエキゾチックデリバ ティブシステムの計算時間を短縮することに成功しました。
今回の取り組みについてフィックスターズ代表取締役社長/CEO、三木 聡は以下のようにコメントしています。「Cell/B.E.導入に積極的に取り組んでいる、業界内でも先進的な金融機関であるみずほ証券様が、今回開発パートナーとして当社を選んでくれたことを非常に嬉しく思っています。今後通常業務へのCell/B.E.システム導入によって、みずほ証券様のビジネス がさらに加速することを願っています。」
なお、今回のシステムの高速化は、日本アイ・ビー・エム株式会社 (本社: 東京都港区、代表取締役社長: 大歳卓麻) のCell/B.E.搭載ブレードサーバー「IBM BladeCenter QS21」で構築されたシステムインフラを用いて行いました。現在みずほ証券とフィックスターズは、金融計算の処理性能がさらに強化された同社のブレードサーバー「IBM BladeCenter QS22」の導入に向けて、システムの動作確認を行っています。
フィックスターズは今後もみずほ証券に対し、金融計算システムの高速化に向けた開発支援を行う予定です。
Cell Broadband Engine™について
Sony、東芝、IBMの3社により共同開発されたマイクロプロセッサです。64ビットのPowerプロセッサコアと複数の独立したSIMDプロセッサコアを有する、マルチコア方式をとっています。これにより膨大なメディア演算処理がリアルタイムに可能になり、次世代のデジタル家電機器群やコンピュータエンタテインメント・システムのみならず、科学技術用シミュレーション・システムなど、幅広い分野に応用が期待されています。現在はPLAYSTATION®3や IBM社製ブレードサーバーなどへ搭載されています。
本文中に記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
関連情報
- 日本IBM5月27日発表プレスリリース「みずほ証券へCell/B.E.搭載ブレードサーバーを納入」
http://www.ibm.com/jp/press/2008/05/2701.html